今週に入ってから、Search Consoleについてのご相談が続けて3件ありました。どれも同じところで止まっています。
「サーチコンソールに見たことのないメニューが増えていました。生成AIって書いてあるんですけど、これは何をした結果なんでしょうか」
「AI表示回数という数字が出ています。この数字は、いつものクリック数に足すものですか。それとも別勘定ですか」
「AIに使わせない設定が同時に出てきたと聞きました。切ったほうがいいのか、上に説明しないといけないので根拠がほしいです」
先に結論を書きます。このレポートで見られる指標は表示回数の1つだけです。Googleの公式ヘルプに載っている指標が、そもそもそれしかありません。クリック数については、業界メディアのSearch Engine Journalも「公開時点でクリックのデータは含まれない」と書いています。つまり「AI検索でうちのアクセスがどれだけ減ったか」は、このレポートでは測れません。ここを最初に握っておかないと、社内で見せた瞬間に話がこじれます。
そして同時に現れた「Search generative AI」の設定について、Googleは「この設定は、検索の他の部分に影響するランキングやインデックスのシグナルとしては使われない」とヘルプに明記しています。だから「順位が下がりそうで怖いから除外する」という決め方は、そもそも成立しません。
私はCodeClimbとして、中小企業や個人事業主の方のWebサイトと業務システムを作っている側の人間です。SEOツールを売っていないので、正直「これを入れればAIに載ります」という手順は書けません。弊社の側で検証できていないからです。そのかわり、自社サイトのSearch Consoleを毎日APIで引いて集計している立場から、実際に触って分かったことを書きます。
この記事を読み終えたときに持ち帰っていただきたいのは、次の4つです。
- このレポートで測れること、測れないことの切り分け。社内共有の前に潰しておく話です
- 表示回数の数え方の癖。ページ別の合計とサイト合計が一致しない理由
- 毎日数字を追っている場合に、ここだけ手作業になる箇所
- Include と Exclude をどう決めるか。順位ではない判断軸の置き方
9月に入って急に画面に出てきた理由
設定をいじった覚えがないのに増えている、という相談が多いのですが、これは何もしていなくて正解です。
Google Search Centralのブログでこのレポートが発表されたのは2026年6月3日です。Search Consoleに生成AIのパフォーマンスレポートを導入するという告知で、Search用とDiscover用の専用レポートを出すこと、そして当初は一部のサイトに限って展開し、フィードバックを受けてから広く提供するという進め方が書かれていました。
そこから段階的に広がって、2026年8月31日に世界中のすべてのウェブサイトへの展開が完了しました。この日付はSearch Engine Journalの記事が報じています。同記事には、当日の時点ではまだすべてのプロパティで使えるとは限らない、という注意書きも添えられていました。6月の発表と、8月31日の展開完了。この2つは別の出来事なので、社内説明のときは分けて話したほうが混乱しません。
見えるのは表示回数だけ。ここを最初に潰しておく
Googleの公式ヘルプGenerative AI performance report (Search)を開くと、指標の説明は1つしかありません。表示回数(impressions)で、「Google検索の生成AI機能の中で、あなたのサイトへのリンクがユーザーに表示された回数」と定義されています。
この一覧に、クリック数・CTR・掲載順位・検索語(クエリ)は載っていません。通常のパフォーマンスレポートと同じ画面構成を想像していると、ここでつまずきます。冒頭に書いたとおり、Search Engine Journalも公開時点でクリックのデータは含まれていないと書いています。
そのかわり、内訳を見る軸は4つ用意されています。
- ページ(最終的なURL、正規URL単位でまとめられます)
- 国(検索が行われた場所)
- デバイス(パソコン・タブレット・スマートフォン)
- 日付(日・週・月。太平洋時間が基準です)
対象になっている面はAI OverviewsとAI Modeです。Discoverの生成AI機能については、6月のブログのとおり別のレポートとして用意されています。

「じゃあ何のために見るのか」と言われそうですが、使い道はあります。どのページがAI機能に引かれているかはページ別で分かります。自分が主力だと思っていたページと、実際に引かれているページがずれているなら、そこは考える材料になります。逆に言うと、そこまでです。
表示回数の数え方に癖がある。合計が合わなくて当然です
ここが日本語の解説記事であまり触れられていない箇所です。公式ヘルプにはこう書かれています。
「たとえば同じサイトから2つの結果が生成AIの検索結果機能に表示された場合、グラフの合計では1回の表示回数として数えられます」
グラフの合計はプロパティ単位でまとめられている、ということです。ヘルプにも、グラフの合計と表の合計は集計方法の違いによって食い違うことがある、と書かれています。実務で何が起きるかというと、ページ別の表示回数を足し上げた数と、サイト全体の合計が食い違うことがあります。1回のAI回答の中で自社の2ページが引かれていれば、ページ別では2つのページにそれぞれ数字が立ちますが、グラフの合計としては1回だからです。
これは報告資料を作るときに必ずぶつかります。エクセルに落として足し算した人と、画面の合計を見ている人とで数字が合わず、「どっちかが間違っている」という話になりがちです。どちらも間違っていません。先に共有しておくのが安全です。
もう1つ、ヘルプには直近のデータが暫定値であること、取得できない値は記号で表示され、エクスポートすると0に変換されることも書かれています。書き出したCSVの上では「0」と「データなし」の区別が消えます。自動でグラフを作っている場合、この0をそのまま平均に混ぜると数字が沈むので、扱いを決めておいたほうがいいかなと思います。
毎日数字を追っているなら、ここだけ手作業になります
弊社は自社サイトのSearch ConsoleとGA4を、毎日APIから自動で引いて集計しています。数字を毎朝見るためというより、順位や表示の変化に気づくのが遅れると打ち手が1週間遅れるからです。
その仕組みで今回のレポートも取ろうとしたのですが、生成AIの表示回数は、うちの自動集計には入ってきていません。画面では見られるのに、いつものAPIの取得結果には含まれていない、という状態です。
実務としてはこうなります。毎日の数字を自動で追っている運用でも、この指標だけは誰かが画面を開いて転記することになります。月次レポートに入れると決めるなら、そのぶんの手間を最初から見込んでおく必要があります。正直、ここが今回いちばん現場に効く話だと思っています。
ついでに書いておくと、Search Consoleの数字は、もともと全部が見えているわけではありません。弊社の自社サイトの実測で言うと、直近28日間(2026年8月9日〜9月5日)で、検索語ごとに見える表示回数の合計は473でした。同じ期間をページ単位で見ると1,546です。同じサイトの同じ期間で3.3倍の差がありました。検索語の一覧に出てこない分があるので、こうなるのだと思っています。
今回のレポートにクリックが無いことに驚く前に、いつも見ている画面も全量ではない、というのは押さえておくといいかなと思います。
同時に現れた「AIに使わせない設定」の中身
次に、設定側のヘルプSearch generative AI controlを見ます。こちらのページにも「2026年8月31日をもって、この設定を世界中のすべてのウェブサイトへ展開しました」という注記が入っています。設定で管理できる対象として挙げられているのはAI Overviews、AI Mode、Google Discoverの生成AI機能の3つで、この一覧は今後も更新していく予定だと書かれています。場所はSearch Consoleの設定 > Search generative AIで、選択肢は3つあります。
- Include(サイトのリンクとコンテンツを生成AI機能に含める)
- Exclude(生成AI機能から除外する)
- Inherit control from parent(親から設定を引き継ぐ)
そして、いちばん大事な一文がこれです。
「この設定は、あなたのコンテンツが特定のSearch生成AI機能に表示され得るかどうかにのみ影響します。この設定は、検索の他の部分に影響するランキングやインデックスのシグナルとしては使われません」
除外しても通常の検索順位が下がる、という設計にはなっていないとGoogleが書いています。裏を返すと、「順位が怖いから」はExcludeを選ぶ理由にならないということです。
代わりに失うものははっきりしています。除外すると、サイトのリンクもコンテンツも生成AI機能に出なくなり、その機能からのトラフィックも表示回数も一切受け取れなくなります。反映までの時間については、設定を変えてから除外されるまで「通常は数日かかる」と書かれています。あわせて「設定が有効になってから1〜2日以内に除外されるが、キャッシュやGoogleのシステム全体への伝播の都合で、もっと時間がかかるコンテンツもある」という説明も添えられています。切ってすぐ消えるものでも、切ってすぐ戻せるものでもない、という前提で触ったほうが安全です。

中小企業はどちらを選べばいいのか
順位が判断軸から外れると、残る問いは1つになります。引用されて知られたいのか、コンテンツを使われたくないのかです。
弊社がご相談を受けたときにお聞きしているのは、この3つです。
- サイトの役割が「知ってもらうこと」か、「囲い込むこと」か。地域のお店やBtoBの受注型で、まず名前を知られたい段階なら、露出の経路を自分から閉じる理由は薄いかなと思います
- コンテンツ自体が商品かどうか。有料の教材、独自の調査データ、そのまま要約されると価値が落ちるものを無料ページに置いているなら、話は変わります
- 切ったあと、何を見て判断を戻すのか。この設定を切ると、その機能からの表示回数もゼロになります。つまり切ったあとに「切って正解だったか」を数字で確かめる材料が無くなります
3つめは見落とされがちです。効果測定のために残すというより、判断を戻せるようにしておく、という考え方です。
CodeClimbの見解
ここからは弊社の解釈です。出典があるわけではないので、そのつもりで読んでいただければと思います。
正直、このレポートはまだ意思決定に使える道具にはなっていないと考えています。表示回数だけでは、増えたのが良いことなのか、単にAI回答の出現自体が増えただけなのかを切り分けられません。クリックが無いので、成果と結びつけようがないからです。6月のブログには今後さらに指標を追加していくことも書かれていたので、判断に使えるようになるのはそのあとかなと思っています。
そのうえで、中小企業のサイトについては当面はIncludeのままで様子を見るのが妥当だと考えています。理由は単純で、多くの会社にとってサイトの役割がまだ「知ってもらうこと」だからです。自社が除外を選んでも、同じテーマを扱う他社のページはそのまま出続けます。閉じることで守れるものより、露出を1つ手放す損のほうが大きい場面が多いのではないでしょうか。
逆に、Excludeを検討する価値があると感じるのは、コンテンツそのものを売っている場合です。要約されて終わってしまうと商売が成り立たない、という構造があるなら、それは順位の話ではなく事業の話なので、経営判断として決めるべきかなと思います。
もう1つ。今回のように「新しい数字が増えたが、意味の解釈は各社に委ねられている」場面はこれからも増えると考えています。そのときに効くのは、新しい指標を追いかける速さより、自社の数字を毎日同じ形で残しておくことだと思っています。比較する土台が無いと、新しい数字が出てきても「増えた気がする」で終わってしまうので。
まとめ
- レポートの発表は2026年6月3日。当初は一部サイト向けで、2026年8月31日に世界中のすべてのサイトへ展開が完了したと報じられています
- 公式ヘルプに載っている指標は表示回数の1つだけ。クリック数・CTR・掲載順位・検索語は一覧にありません
- 内訳の軸はページ・国・デバイス・日付の4つ。対象はAI OverviewsとAI Modeです
- 同じサイトから2件出てもグラフの合計では1回。ページ別の足し算とグラフの合計は食い違うことがあります
- 弊社の自動集計にはこの指標が入ってきていません。日次で数字を追う運用では、ここだけ手作業になります
- 設定はInclude / Exclude / Inheritの3択。ランキングやインデックスのシグナルには使われないとGoogleが明記しています
- 除外するとその機能からの表示もトラフィックも受け取れなくなり、反映には通常数日かかります。判断軸は順位ではなく、露出を取るか、コンテンツを守るかです
自社サイトの数字の見方を整理したい方へ
CodeClimbでは、中小企業・個人事業主の方のWebサイト制作と、Search Console・GA4まわりの計測の整理をお手伝いしています。2025年は126件のご相談・案件対応をいただきました。「数字は出ているが、何を見て判断すればいいのか分からない」という状態からで大丈夫です。
サービスの内容はWeb制作・サイト改善のページに、地域のお店向けの考え方は中小企業・店舗のホームページの作り方にまとめてあります。ご相談はお問い合わせフォームからお願いします。いきなり依頼でなくて構いません。まず現状を伺うところからで大丈夫です。
出典
- https://developers.google.com/search/blog/2026/06/gen-ai-performance-reports | Google Search Central Blog | 2026年6月
- https://support.google.com/webmasters/answer/16984139?hl=en | Google Search Console ヘルプ | 参照 2026-09-07
- https://support.google.com/webmasters/answer/16908024?hl=en | Google Search Console ヘルプ | 参照 2026-09-07
- https://www.searchenginejournal.com/google-search-console-ai-reports-rolled-out-worldwide/587836/ | Search Engine Journal | 2026年8月
