Googleビジネスプロフィール(GBP)まわりのご相談をいただくとき、最近この3つをよく聞くようになりました。
「説明文の候補をAIが出してくれるようになったけど、あれって、そのまま使っていいんでしょうか」
「AI検索に拾われるには構造化データが必要だと言われたんですが、何をどこまで入れればいいのか、誰も具体的に教えてくれなくて」
「業者さんにLocalBusinessの実装を勧められたけど、うちは電話番号を公開していないので、埋められない項目があるんです」
結論から書きます。AIが説明文を書いてくれる時代に事業者側がやることは、AIに上手に書かせる工夫ではなく、AIが読みにくる元の情報を正しく揃えておくことかなと思っています。GBPの説明文も、AI Overviewに出てくる文章も、どちらも「どこかにある事業者情報」を材料にして組み立てられています。材料が間違っていたり足りなかったりすれば、生成された文章もそのままズレます。
私はCodeClimbとして、中小企業向けにWebサイトや業務システムを作っている側の人間です。MEOツールを売っていないので、正直「ツールを入れれば順位が上がります」とは書けません。そのかわり、作る側から見て事実として確認できることだけを書きます。ちなみにこの記事を書くにあたって自社サイトを点検したところ、code-climb.com にはLocalBusiness構造化データが入っていませんでした。人に勧める前に自分がやっていなかったので、その実測もそのまま出します。
GBP運用そのものの基本は須賀川市のMEO対策に、ホームページとGBPの役割分担はMEOとホームページのチェックリストにまとめてあります。この記事はその先の「AIが文章を書く前提になったとき、事業者側は何を確認するのか」という話です。
この記事で持ち帰れるのは、次の5つです。
- GBPには公式のAI説明文生成機能があり、Google自身が「内容の確認が必要」と明記していること
- AI Overviewの公式ヘルプが何を説明していて、何を説明していないのか
- LocalBusiness構造化データの必須プロパティは実質2つしかないこと
- 推奨プロパティを「全部埋める」のが正解ではない理由
- 今日そのまま実行できる3つの確認手順
GoogleビジネスプロフィールにはAIが説明文の候補を出す機能がある

まず前提の共有からです。GBPのビジネス説明の欄には、Google公式の「説明の候補を見る」という機能があります。ボタンを押すと、プロフィールに登録されている情報をもとに、AIが説明文の候補を生成します。
出典:https://support.google.com/business/answer/13682007?hl=ja
生成された候補は、そのまま使う前提の機能ではない
ここがいちばん大事なところなんですけど、同じヘルプページにGoogle自身がこう書いています。このAI機能ではクリエイティブのテキストが生成されるため、内容が正確かどうかを確認する必要がある、と。
つまり公式の機能でありながら、公式自身が「内容が正確かどうかを確認する必要がある」と書いている状態です。候補は「再試行」で別案を出せますし、「使用」で採用したあとも自分で編集して保存できます。AIは下書きまでで、事実の責任は事業者側にあるという設計になっているのかなと思います。
実務でいうと、確認すべきなのはだいたいこのあたりです。営業時間、対応エリア、提供していないサービスが混ざっていないか、資格や許認可に関する表現が実態と合っているか。特に最後のものは、AIが「それらしく」書いてしまうと事実と違う表示になりかねないので、士業さんや医療系のような業種では必ず目を通したほうがいいかなと思います。
精度はプロフィール情報の充実度に依存する
ヘルプには、候補の精度を上げるにはプロフィール情報を更新することが前提だと明記されています。あとは利用条件として、対応している地域と言語が限られていること、18歳以上であること、Googleの生成AI使用禁止ポリシーを守ることが挙げられています。ボタンが見当たらない場合は、機能が未提供の地域・言語である可能性があります。
要するに、プロフィールがスカスカのままAIに書かせても、スカスカの説明文が出てくるだけということです。この構造は次の章のAI Overviewとまったく同じで、結局のところ元情報の整備に戻ってきます。
AI Overviewは情報源から答えを組み立てる仕組みで、間違いも公式に認めている
検索結果の上部に出てくるAIの要約、いわゆるAI Overviewについても、公式ヘルプを読んでおいたほうがいいかなと思います。
出典:https://support.google.com/websearch/answer/14901683?hl=ja
そこに書かれているのは、ざっくり次の3点です。
- さまざまな情報源からの情報を迅速に提供できる場合に表示される機能であること
- 生成AIとして、トレーニング用のデータからパターンと構造を学習する仕組みであること
- AIの回答には間違いが含まれている場合があり、重要な情報は複数の情報源で確認すべきであること
「こうすれば引用される」は公式には書かれていない
正直、ここは書きにくいところなんですが、はっきりさせておきます。事業者側が何をすればAI Overviewに引用されやすくなるのか、という具体的な記述は、この公式ヘルプには存在しません。
「構造化データを入れればAI Overviewに引用される」と断言している記事をよく見かけますが、その因果を裏づける一次情報を、私は確認できていません。なので、この記事でもその断定はしません。分かっているのは「複数の情報源から組み立てられる」という仕組みの説明だけで、そこから言えるのはせいぜい「自社に関する情報が、機械が読める形で、矛盾なく置かれている状態のほうが不利にはならないだろう」という程度かなと思います。
AI経由の流入が実際にどのくらいあるのかを自分の手で確認する方法は、Search ConsoleでAI検索経由の表示を確認する手順に書いています。推測で動く前に、まず自社の数字を見るほうが早いです。あわせてllms.txtの前にやることの整理も、この話の前提として書いたものです。
GBPと同じ情報を、サイト側にも構造化データとして渡せているか

ここからが、多くの中小企業サイトで抜けている部分です。GBPには住所・電話・営業時間を登録しているのに、自社サイト側には同じ情報が機械の読める形で置かれていない、というケースがかなりあります。
Google検索セントラルのLocalBusiness構造化データのドキュメントを見ると、仕様は思ったよりシンプルです。
出典:https://developers.google.com/search/docs/appearance/structured-data/local-business
必須プロパティは実質2つだけ
必須とされているのは name(事業者名)と address(住所)の2つです。これだけです。「構造化データは難しそう」という理由で手をつけていない会社は多いんですが、必須要件だけ見れば拍子抜けするくらい少ないかなと思います。
推奨プロパティのほうが数は多くて、geo(緯度経度)、telephone、openingHoursSpecification(営業時間)、priceRange(価格帯)などが挙げられています。review / aggregateRating(レビュー)も推奨プロパティに並んではいるのですが、こちらは「他のローカルビジネスのレビューを集めているサイト」に向けたものだと明記されているので、自社の店舗ページで入れるものではありません。複数部門を持つ事業者向けの department、飲食店向けの servesCuisine や menu のように、業態別のものもあります。用途としては、ナレッジパネルへの表示や、業種で検索したときのカルーセル表示などが示されています。
推奨プロパティは「出せる情報だけ」でいい
ここで冒頭の3つ目の相談に戻ります。「電話番号を公開していないので埋められない」というケースです。
うちも同じで、社内の表記ルールとして所在地は市レベルまで(福島県須賀川市。番地・建物名は非公開)、電話番号は非公開と決めています。個人事業に近い規模で自宅兼事務所という会社は珍しくないので、同じ判断をしているところは多いはずです。この方針だと telephone は埋まりませんし、address も番地まで書けません。
大事なのは、推奨プロパティを全部埋めることが目的ではないということです。埋めるために公開したくない情報を出すのは本末転倒ですし、逆に、実態と違う値を入れるとGBP側の情報と食い違って、かえって信頼できない事業者情報になります。順番としては、何を公開して何を公開しないかを方針として先に決め、そのうえで出せる項目だけを正確に埋める。これでいいかなと思います。
自社サイトを例に:Organization型だけではLocalBusinessにならない
人に勧める前に自分を点検します。2026年9月1日時点で code-climb.com のトップページに出力されている構造化データの型を洗い出したところ、次のものが検出されました。
Organization / WebSite / Person / Service / OfferCatalog / Offer / Review / Rating / ContactPoint / AdministrativeArea / City / Country / OpeningHoursSpecification / SearchAction / ImageObject / UnitPriceSpecification
ご覧のとおり、LocalBusiness は含まれていません。営業時間(OpeningHoursSpecification)も所在地(City / AdministrativeArea)も出力されているのに、それらを束ねる型が Organization 止まりになっている状態です。
これは割とありがちなパターンかなと思っていて、WordPressのテーマやSEOプラグインが自動で出力する構造化データは Organization ベースであることが多いです。地域で商売をしている事業者なのに、機械から見ると「地域の店舗・事業所」として認識される型になっていない。うちがまさにそれでした。誇張ではなく実測なので、そのまま書いておきます。
その前提として、ビジネス情報のガイドラインを満たしているか
ここまで説明文と構造化データの話をしてきましたが、その手前でもっと重要なのが、Googleが定めているビジネス情報のガイドラインを満たしているかどうかです。
出典:https://support.google.com/business/answer/3038177?hl=ja
ガイドラインが対象としているのは、顧客が訪れることのできる実在の店舗・拠点を持つビジネスか、顧客のいる場所に出向いてサービスを提供するビジネスです。そのうえで、ビジネス名・住所・営業時間・カテゴリの設定について基本ルールが定められています。チェーン店、複数部門を持つ施設、士業のような個人専門家については、それぞれ特例の扱いが用意されています。
ここを軽く見ると土台から崩れます。たとえば来客を受けない非店舗型のビジネスは、顧客に対して住所を非表示にする必要がある、とガイドラインに書かれています。自宅兼事務所で運営している場合に迷いやすいところで、弊社でも登録時の確認項目にしています。ガイドラインに沿わない状態が続けば、アカウントが停止される可能性もあります。停止されてしまえば、AIの説明文生成も構造化データも意味を持ちません。順番としては、ガイドライン適合がいちばん下の土台で、その上に情報の整備、いちばん上にAI関連の話が乗る、という構造かなと思います。
中小企業が今日からできる3つの確認
ここまでの話を、そのまま手を動かせる形に落とします。どれも費用はかかりません。
1. GBPの「説明の候補を見る」を試し、出てきた文章を必ず自分で直す
まず1回押してみるのがいいかなと思います。そのうえで、営業時間・対応エリア・提供していないサービス・資格に関する表現の4点を確認して、違うところは手で直してから保存します。そのまま「使用」で確定させないこと。これだけ守れば大丈夫です。ボタンが出てこない場合は、対応地域・言語の制限に当たっている可能性があります。
2. 自社サイトの構造化データを確認する
GoogleのリッチリザルトテストにトップページのURLを入れて、何が検出されるか確認してみてください。ブラウザでページのソースを表示して application/ld+json で検索する方法でも構いません。見るポイントは1つだけで、LocalBusiness という型があるかどうかです。無ければ、うちと同じ Organization 止まりの状態ということになります。
3. NAPと公開方針を決めてから、埋められる項目だけ埋める
実装に入る前に、事業者名・住所・電話番号をどの表記でどこまで公開するかを紙1枚で決めます。ここを決めずに実装すると、サイトとGBPと各種登録サイトで表記がバラバラになって、あとから直すのが面倒になります。決めたら、name と address を正確に入れ、あとは出せる推奨プロパティだけを足していく。全部埋めようとしないことが、結局いちばん早いかなと思います。
CodeClimbの見解
ここからは公式ドキュメントに書かれていることではなく、作る側として見ていての解釈です。事実と分けて読んでください。
正直なところ、「AI検索対策」として売られているものの多くは、やっていることが従来の情報整備とほとんど変わらないと感じています。GBPの説明文をAIが書くようになっても、AI Overviewが出るようになっても、ガイドラインで求められている材料は、事業者名・住所・営業時間・カテゴリ・提供内容といった基本的な情報です。新しいのは出力の形であって、入力の要件ではないのかなと思います。
だからこそ、AIが書いてくれる時代のほうが、事業者側が持っている情報の正確さがそのまま差になると考えています。手書きの説明文なら多少あいまいでも人間が読んで補正してくれますが、AIが材料から組み立てるようになると、材料の粗さがそのまま出力に乗ります。そしてGoogle自身が「間違いが含まれる場合がある」と認めている以上、間違いを減らせるのは元情報を持っている事業者側だけです。
もう1つ、自分に不利なことも書いておきます。LocalBusiness構造化データを入れれば集客が増える、とは言えません。うち自身が未実装のまま運用してきて、それで困ったという実感も、正直まだありません。これから実装して、GBPのインサイトやSearch Consoleの数字がどう動くかを見るところです。動いたら数字つきで書きますし、動かなければ動かなかったと書きます。やる価値があるのは「機械に正しく読ませる状態を作っておく」ことであって、順位が上がる保証があるからではない、というのが今の整理です。
まとめ
この記事で書いたことをまとめます。
- GBPには公式のAI説明文生成機能(「説明の候補を見る」)があるが、Google自身が内容の確認を求めている。そのまま保存しない
- AI Overviewは複数の情報源から答えを組み立てる仕組みで、公式が間違いを含む場合があると明記している。「こうすれば引用される」は公式には書かれていない
- LocalBusiness構造化データの必須は
nameとaddressの実質2つだけ - 推奨プロパティは全部埋めるものではない。公開方針を先に決めて、出せる項目だけ正確に埋める
- その土台としてビジネス情報のガイドライン適合が最優先。凍結されたら他のすべてが無意味になる
- 弊社サイトも点検したところ
Organization止まりでLocalBusinessは未実装だった
AIが文章を書いてくれる範囲は、これからも広がっていくと思います。ただ、書かれる元になる情報を用意して、出てきたものが事実と合っているか確認する仕事は、当分こちら側に残るのかなと思っています。そこが結局、いちばん地味で、いちばん効く部分かなと。
自社サイトの構造化データを見てもらいたい方へ
CodeClimbでは、中小企業・個人事業主の方のWebサイト制作と、既存サイトの構造化データやGBPまわりの整理をお手伝いしています。「うちのサイトが今どうなっているか分からない」という状態からで大丈夫です。この記事のとおり、うち自身が未実装だったところから点検を始めているので、うまくいかなかった部分も含めてお話しできるかなと思います。
サービスの内容はWeb制作・サイト改善のページに、ご相談はお問い合わせフォームからお願いします。いきなり依頼でなくて構いません。まず現状を伺うところからで大丈夫です。
出典
- https://support.google.com/business/answer/13682007?hl=ja | Google ビジネス プロフィール ヘルプ | 参照 2026-09-01
- https://developers.google.com/search/docs/appearance/structured-data/local-business | Google 検索セントラル | 2026年2月
- https://support.google.com/business/answer/3038177?hl=ja | Google ビジネス プロフィール ヘルプ | 参照 2026-09-01
- https://support.google.com/websearch/answer/14901683?hl=ja | Google 検索ヘルプ | 参照 2026-09-01
