Claudeの「Dashboards」や、資料づくりの機能の正式提供について、こんな声を聞きます。
「社内のデータをClaudeにつなぐと、数字が勝手に会議資料になるのは便利そうだけど、その数字が合っているのか不安です」
「社員がClaudeで作ったスライドを、社外の人にリンクで送っていないか心配です」
「Enterpriseで、10月15日から何かが既定でオンになると聞いたけれど、何をすればいいのか分かりません」
結論を先に言います
Claude Dashboardsとは、会社のデータに普通の言葉で質問すると、ClaudeがSQLを書いてダッシュボードを作る機能で、2026年10月8日にベータで始まりました。各グラフには、その数字を出したクエリと最終更新時刻が表示されます。
なので、入れる前に考えるべきは「便利かどうか」より、どのデータにつなぐか、数字の数え方を誰が確かめるか、作った資料をどこまで社外に出してよいかを、会社として先に決めることかなと思います。
この記事で持ち帰れること
- 10月8日に何が発表されたのか(ベータと正式提供の違い)
- Claude Dashboardsの仕組みと、「クエリが見える」ことの意味
- TeamとEnterpriseで違う、テンプレートの既定値
- 社外共有を決める「2つの別々の設定」と、切ったときに起きること
- 部署別の使いどころと、入れる前にやっておくこと
Claude Dashboardsとは:10月8日の発表の中身
Claudeの公式記事「Build live dashboards and animate explainers with Claude」(https://claude.com/resources/articles/dashboards-and-motion)は2026年10月8日付で、Claude DashboardsとClaude Motionがベータで始まり、Docs・Slides・Designはベータを外れてFreeを含むすべてのプランで使えるようになった、と伝えています。
ここは混ざりやすいので、表にしておきます。
| 機能 | 状態 | 対象のプラン | 中身 |
|---|---|---|---|
| Dashboards | ベータ | 有料プラン(Pro・Max・Team・Enterprise) | 会社のデータにつなぎ、質問からダッシュボードを作る |
| Motion | ベータ | Team・Enterprise | 資料や数字を、短い動画のような解説アニメーションにする。MP4で書き出せる |
| Docs・Slides・Design | ベータを外れた | Freeを含むすべてのプラン | 文書・スライド・デザインをClaudeの会話の中で作る |
公式記事によると、Docs・Slides・Designの導入以来、Claudeの中で4,500万件を超える文書・スライド・デザインが作られたそうです。あわせて、企業向けの変更として次のものが挙がっています。
- アーティファクトがCMEK(顧客が管理する暗号鍵)に対応し、管理者が組織で使うテンプレートを選べる
- チームとClaudeが、同じ文書・スライド・デザイン・ダッシュボードを編集できる
- 管理者が許可すれば、組織の外の人や、リンクを知っている人と共有できる
- PowerPointとPDFの書き出しが、エディタで作った見た目のまま出る。スライドはGoogleスライドに編集できる形で送れる
Motionは動画生成モデルを使わず、Claudeが書いたコードで文字やグラフ、図形、画像を動かすので、生成された映像やAIが作った人物は出てこない、と説明されています。
「クエリが見える」ことが、Dashboardsの肝

ヘルプセンターの「Get started with Claude Dashboards」(https://support.claude.com/en/articles/17454700-get-started-with-claude-dashboards)によると、ダッシュボードはDashboardsテンプレートから作るアーティファクトで、Claudeがグラフごとに SQL のクエリを書き、データソースに対して実行します。 各グラフにはクエリが表示されるので、何を数えているかを正確に確かめられ、データの最終更新時刻も出る、とされています。
つなげるデータは2種類です。
| つなぐ先 | 例 |
|---|---|
| データウェアハウス | Amazon Redshift、BigQuery、ClickHouse、Databricks、Snowflake |
| Claudeに接続済みのほかのアプリ | 例として、Salesforceの商談のダッシュボード |
ダッシュボードは、今週の登録数を先月と比べる、といった素早い探索的な質問に向いている、とヘルプは書いています。深い分析が必要なときは、ダッシュボードを別のツールに送って続ける、という位置づけです。公式記事では、送り先としてAmplitude、Grafana、Hex、Mixpanel、Omni、Perplexity、PostHog、Sigmaが挙がっています。
ヘルプには、結果をよくするコツとして「グラフにしたいものではなく、知りたいことを言う」ことと、グラフのクエリを開いて、意図したものを数えていなければClaudeに直し方を伝えることが書かれています。
運用で押さえておきたい点は次のとおりです。
- ダッシュボードは、最初は作った本人だけが見られる。共有するには「Share」を押す
- 作ったダッシュボードはすべて「Artifacts」タブに保存される
- Dashboardsは、ほかのClaudeでの作業と同じく、プランの利用上限に数えられる
- Enterpriseでは既定でオフ。オーナーが Organization settings > Artifacts で有効にするまで使えず、カスタムロールで特定のグループに絞れる
TeamとEnterpriseで違う、テンプレートの既定値
ヘルプセンターの「Artifacts admin guide for Team and Enterprise plans」(https://support.claude.com/en/articles/16994751)は、TeamとEnterpriseのオーナー向けに、アーティファクトの有効化、使えるテンプレートの選択、社外共有の管理を説明したガイドです。既定値は次のとおりです。
| テンプレート | Team | Enterprise |
|---|---|---|
| Docs・Slides・Design | 既定でオン | 2026年10月15日に既定でオンになる |
| Motion | 既定でオン | 既定でオフ |
| Dashboards | 有料プランで利用可 | 既定でオフ |
ガイドには、Enterpriseで Docs・Slides・Design を使わせたくない場合は、10月15日より前にオフにするよう書かれています。公式記事も、Enterpriseの管理者向けに「Docs・Slides・Designは10月15日に既定でオンになる。今日オンにしてもよい」と案内しています。
ほかに、管理者として知っておきたい記載は次のとおりです。
- アーティファクトを有効にするには、先に Organization settings > Capabilities で「Cloud code execution and file creation」をオンにする
- テンプレートをオフにしても、そのテンプレートで作成済みのアーティファクトには影響しない
- Enterpriseでは、カスタムロールで機能を特定のグループだけに使わせられる。ただし組織の設定がオフなら、どのロールでも使えない
- アーティファクトの利用は、Claude Codeを含むClaudeのほかの利用と同じ、各ユーザーの既存の利用上限に数えられ、別枠は用意されていない
- 組織からユーザーを外すと、そのユーザーのアーティファクトへのアクセスも同時に外れる
社外共有は「2つの別々の設定」で決まる

同じ管理ガイドによると、組織の外に何を共有できるかは2つの別々の設定で決まり、片方をオンにしても、もう片方はオンになりません。
| 設定 | できること | オフにしたとき |
|---|---|---|
| External sharing | リンクを知っている人なら誰でも、アーティファクトを開ける | 既存の公開リンクも、オンに戻すまで使えなくなる(個別に許可したアーティファクトは除く) |
| Email invitations outside your organization | 組織の外の特定の人を、メールで招待できる | 招待済みの人も、オンに戻すまで開けなくなる。承諾済みの招待は削除されない |
External sharingをオフのままでも、管理画面の Published artifacts から、特定のアーティファクトだけ「Allow external sharing」でリンク共有を許可できます。社外の人がアクセスしているアーティファクトは「Shared outside」の印で見つけられ、オーナーはそこで相手のアクセスを外せます。
ヘルプセンターの「Publish and share artifacts」(https://support.claude.com/en/articles/9547008-publish-and-share-artifacts)には、プラン別の共有範囲の表があります。
| 共有のしかた | Free | Pro・Max | Team | Enterprise |
|---|---|---|---|---|
| リンクを知っている人なら誰でも | なし | あり | あり | あり |
| 組織内の全員や特定の人 | なし | なし | あり | あり |
| メールで特定の人を招待(ベータ) | なし | あり | あり | あり |
| チャットで作った旧来のアーティファクトの公開(Publish) | あり | あり | なし | なし |
TeamとEnterpriseでは、アーティファクトは既定で組織の中にとどまり、社外に出せるかはオーナーが決める、とされています。社外へのメール招待の設定は、Teamでは既定でオン、Enterpriseでは既定でオフです。
一方、ProとMaxでは、作った本人が「Only you」か「Anyone with the link」を選びます。
また、社外に出せないものも決まっています。
- 接続したアプリを使うアーティファクトや、Claudeに質問するアーティファクトは「Anyone with the link」を使えない
- TeamとEnterpriseでは、Docsもまだ「Anyone with the link」を使えない
- 共有されたアーティファクトを開くには、チャットから公開した旧来のアーティファクトを除き、Claudeのアカウントが必要
- 接続したアプリから読み込むアーティファクトは、作った人ではなく、開いた人自身の接続を使う。見る人がデータソースにアクセスできなければ、その部分はエラーになる
部署別の使いどころ(ここからは弊社の考え)
ここは公式の記載ではなく、Dashboardsが素早い探索的な質問に向き、Slides・Docsが会話の中で資料を作る、という説明を前提に、弊社が部署ごとに当てはめた考えです。
| 部署・業務 | 使いどころ | 先に決めておくこと |
|---|---|---|
| 営業 | 商談の段階別・担当別の一覧、週次の数字の確認 | 社外の提案資料にする前に、誰が数字を確かめるか |
| 経営・経営企画 | 月次の数字を先月と比べる、会議の前の下調べ | 「売上」「件数」の数え方を誰が決めるか |
| 経理 | 定型の集計の下書き | 確定値は会計の仕組みの側を正とする |
| マーケティング | 申込数や問い合わせ数の推移の確認、説明用のアニメーション | 社外にリンクで出してよい資料の範囲 |
| 情シス | 共有設定の管理、社外共有されている資料の確認 | リンク共有とメール招待を、それぞれ誰の判断で入れるか |
CodeClimbの見解
ここまでは出典に書かれていることを並べました。ここからは弊社の解釈と経験で、出典のある事実とは分けて書きます。
まず正直に書いておくと、弊社はClaude DashboardsもClaude Motionも、まだ業務で使っていません。 なので、使い込んだ感想ではなく、業務システムやAIの仕組みを作る側の立場からの考えです。
弊社が今回いちばん大事だと思ったのは、「クエリが見える」ことです。ダッシュボードは、見た目が整っているほど正しく見えてしまいます。たとえば「売上」と言っても、受注日で数えるのか、請求日で数えるのか、キャンセルを含むのかで数字は変わります。グラフの裏のクエリが見えるのは、それを確かめられるということですが、裏を返すと、誰も確かめなければ、そのまま会議資料になってしまう、ということでもあります。
この点は、弊社がシステムを作るときにいつも最初に決めていることと同じです。あるkintone運用案件では、外部サービス(トヨクモのFormBridge・kViewer・DataCollect)に月9万円かかっていたのを、自社開発のシステムに置き換えて廃止し、年間約108万円を削減しました。数字を見る仕組みは作り直せますが、そのときも、ツールより先に「どの数字を、誰の定義で見るか」を決めています。Dashboardsでも、数字の定義を持つ人を決めてからつなぐのがいいかなと思います。
もう1つは、個人のプランの棚卸しです。ProやMaxでは本人がリンク共有を選べるので、会社がTeamやEnterpriseで社外共有を絞っていても、社員が個人のアカウントで会社の資料を作っていれば、その設定は効きません。正直、ここは設定の前に、誰がどのアカウントで仕事をしているかを確かめるところからだと思っています。
なので、入れる前にやっておくのは、この4つかなと思います。
- 個人のプランで会社の資料を作っていないかを確かめる。会社の資料は会社のアカウントで作る、と決める
- つなぐデータの範囲を決める。最初は、社外秘の数字が少ないデータから始める
- 数字の定義を持つ人を決める。会議や社外に出す数字は、その人がクエリを確かめてから出す
- 社外共有の2つの設定を、別々に決める。リンク共有を後から切ると、既存の公開リンクも止まるので、入れる前に決めておく
AIに任せる線引きは「AI導入で任せない業務4分類」、集計をどこに置くかは「脱Excelの移行先を比較して決める」にまとめています。Claudeを社内に入れる全体の流れは「Claude Coworkを業務に入れる前に決めること」、Googleのファイルの中で使うClaudeは「Claude for Google Workspaceとは?管理者が決める3つのこと」をご覧ください。
よくある質問
Q. Claude Dashboardsは、Freeプランでも使えますか
ヘルプセンターでは、Claude DashboardsはPro・Max・Team・Enterpriseのプランでベータとして使える、とされています。Freeは挙がっていません。一方、Docs・Slides・Designは、Freeを含むすべてのプランで使えると公式記事に書かれています。
Q. 社員がアーティファクトを作った操作は、記録に残りますか
管理ガイドによると、Compliance APIでは、会話やArtifactsタブで作ったアーティファクトがアーティファクト単位で記録されます。Docsについては文書そのもののイベントは記録されますが、文書の中の編集やコメントはまだ記録されない、とされています。
Q. 単独のClaude Designのサイトは、いつまで使えますか
公式記事によると、単独のClaude Design(claude.ai/design)は12月14日まで使え、それまでに移行する時間がある、とされています。Claudeの Artifacts ページで「Migrate team design systems」を押すと、組織のデザインシステムをまとめて移せる、という案内です。
まとめ
Claude Dashboardsは、会社のデータに質問するとClaudeがSQLを書いてダッシュボードを作る機能で、各グラフにクエリと最終更新時刻が出ます。同じ日に、Docs・Slides・Designはベータを外れ、Freeを含むすべてのプランで使えるようになりました。
その一方で、既定値はTeamとEnterpriseで違い、社外共有はリンク共有とメール招待の2つの別々の設定で決まります。ProやMaxでは本人がリンク共有を選べます。急いで全部を入れる必要はありませんが、個人のプランの棚卸し、つなぐデータと数字の定義を持つ人、社外共有の2つの設定。この順番で決めておくのがいいかなと思います。
Claudeで作る資料とデータの線引きから、一緒に決めませんか
CodeClimbは、AIツールを売る側ではなく、業務に合わせて仕組みを作る側の会社です。AIの導入だけでなく、データの置き場所や、数字を見る仕組みづくりもお手伝いしています。
「Claudeを入れたいが、どのデータにつなぎ、何を社外に出してよいかが決まっていない」という段階からでも構いません。AI活用支援のサービス内容や、データ連携の相談はシステム開発のサービス内容をご覧いただいたうえで、お問い合わせから今の状況をお聞かせください。
出典
https://claude.com/resources/articles/dashboards-and-motion | Claude(Anthropic) | 2026年10月
https://support.claude.com/en/articles/17454700-get-started-with-claude-dashboards | Claude ヘルプセンター | 参照 2026-10-15
https://support.claude.com/en/articles/16994751 | Claude ヘルプセンター | 参照 2026-10-15
https://support.claude.com/en/articles/9547008-publish-and-share-artifacts | Claude ヘルプセンター | 参照 2026-10-15
