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スプレッドシートのセル上限と手動計算とは【2026】|2,000万セルになっても、業務システムへ移る目安

2026 10/16
ホームページ制作
2026-10-16

Googleスプレッドシートで業務を回している会社から、こんな声を聞きます。

「シートが重くて、貼り付けるたびに計算が走って固まります。上限が増えたなら、このまま使い続けていいのでしょうか」

「受注や在庫の表がどんどん大きくなっていて、いつかセルの上限に当たるのが不安です」

「手動計算という設定ができたと聞いたけれど、オンにしても大丈夫なのか分かりません」

目次

結論を先に言います

Googleスプレッドシートのセル上限とは、1つのスプレッドシートに入れられるセルの数の上限で、2026年9月に1,000万セルから2,000万セルへ倍になりました。同じ9月には、数式の自動再計算を止める「手動計算」の設定も加わっています。

なので、重いシートはしばらく延命できます。ただ、上限が増えても変わらないものがあるので、延命を続ける前に「どこまでシートで回し、どこで業務システムへ移るか」を決めておくのがいいかなと思います。

この記事で持ち帰れること

  • 9月に変わった2つのこと(2,000万セルの上限と手動計算)
  • 「2,000万セル」だけでは足りない、もう1つの上限(100MB)
  • 手動計算の使いどころと、使える人・使えない場面
  • シートから業務システムへ移る目安(弊社の考え)
  • 部署別の、シートで続けてよい業務と移したほうがよい業務

スプレッドシートのセル上限とは:9月に変わった2つのこと

Google Workspace Updatesの「Doubled cell limits in Google Sheets now generally available」(https://workspaceupdates.googleblog.com/2026/09/doubled-cell-limits-in-google-sheets-now-generally-available.html)は2026年9月10日付で、Googleスプレッドシートのセル上限を、最大1,000万セルから最大2,000万セルに引き上げたと伝えています。この上限は、新しく作るファイル、既存のファイル、インポートしたファイルのすべてに適用されます。

続いて、9月21日付の「New manual calculation setting in Google Sheets」(https://workspaceupdates.googleblog.com/2026/09/new-manual-calculation-setting-in-Google-Sheets.html)で、数式の自動再計算を止められる手動計算の設定が発表されました。

2つを並べると、次のとおりです。

セル上限の倍増手動計算の設定
発表日2026年9月10日2026年9月21日
中身1ファイルの上限が最大1,000万セルから最大2,000万セルへ自動の再計算を止め、まとめて編集してから計算できる
管理者の設定なしなし
利用者の設定なし(作成・拡張・インポートのときに自動で適用)既定はオフ。利用者が「ファイル > 設定」の計算設定でオンにする
展開Rapid Releaseは9月10日から、Scheduled Releaseは9月28日から、段階的に(表示まで最大15日)Rapid Release・Scheduled Releaseとも9月21日から、段階的に(表示まで最大15日)
対象すべてのGoogle Workspaceのお客様、Workspace Individual、個人のGoogleアカウントすべてのGoogle Workspaceのお客様、Workspace Individual

展開の開始日は、組織のリリースの設定によって違います。セル上限のほうは、Scheduled Releaseの組織では9月28日からの段階展開です。また、手動計算の対象として発表に挙がっているのは、Google Workspaceのお客様とWorkspace Individualです。

セル上限の発表には、インポートするスプレッドシートのファイルサイズ(バイト数)の上限も、近いうちに引き上げる予定だと書かれています。

「2,000万セル」だけでは足りない、もう1つの上限

Googleドライブのヘルプ「Files you can store in Google Drive」(https://support.google.com/drive/answer/37603?hl=en)では、スプレッドシートの上限は「最大2,000万セル、または100MB」と書かれています。対象は、Googleスプレッドシートで作成したもの、またはGoogleスプレッドシートに変換したものです。

同じヘルプには、ほかにも次の上限が書かれています。

項目上限
スプレッドシート最大2,000万セル、または100MB
ExcelからGoogleスプレッドシートへ変換するとき5万文字を超えるセルは削除される
コネクテッドシートのピボットテーブル最大20万行
コネクテッドシートの抽出最大50万行、または500万セル

セルの数と100MBの、どちらか先に当たったほうが上限になると読めるので、数字は両方で見ておくのがいいかなと思います。

手動計算は「重いシートの応急処置」になる

自動の再計算を止める、まとめて貼り付けや編集をする、計算ボタンで一度だけ反映する、というGoogleスプレッドシートの手動計算の3段階の流れと、編集者だけが使えモバイルアプリでは使えないことを示した図解

9月21日の発表によると、手動計算は、複雑な、またはデータの多いスプレッドシートの編集者が、自動の再計算を止め、編集をまとめてから、準備ができたときにシート全体を更新できる設定です。発表では、特に役立つ場面として次の3つが挙がっています。

場面発表に書かれている内容
大量のデータの更新複数シートをまたぐ検索や集計など、数式が多いシートに大きなデータを貼り付けたり直したりするとき、操作のたびに途中の再計算を走らせずに入力できる
シナリオの試算財務や予測のモデルで前提の値をいくつも変えるとき、順に入力してから一度だけ計算できる。途中の計算ではなく、最後の結果だけを見られる
揮発性の関数を使うシミュレーション乱数や現在時刻などの関数を使うシートで、データの状態を止めて、分析や説明のあいだ数字を動かさないでおける

Googleドキュメント エディタのヘルプ「Set a spreadsheet’s location & calculation settings」(https://support.google.com/docs/answer/58515?hl=en)には、設定の手順が書かれています。パソコンでスプレッドシートを開き、「ファイル」>「設定」>「計算」(英語版では File > Settings > Calculation)を開いて、計算モードを選び、設定を保存します。

計算モード動き
自動モードスプレッドシートを操作すると、すぐに変更を探して反映する
手動モード画面上部の「計算」を選んだときだけ計算する

同じヘルプには、使うときに押さえておきたい点も書かれています。

  • 手動計算は、シートの編集者だけが使える
  • スプレッドシートのモバイルアプリでは使えない
  • オンにすると、画面上部に手動計算モードがオンであることを示すバナーが出る
  • この設定ページの変更はスプレッドシート全体に反映され、作業しているすべての人に見える

また、外部からデータを読み込む関数は、決まった間隔で再計算されます。ヘルプではIMPORTRANGEが30分、IMPORTHTML・IMPORTFEED・IMPORTDATA・IMPORTXMLが1時間、GOOGLEFINANCEは最大20分ほど遅れることがある、とされています。

上限が倍になっても変わらないこと(ここからは弊社の考え)

ここからは出典の記載ではなく、弊社がスプレッドシートやExcelの業務を業務システムへ移してきた立場からの考えです。

上限が倍になって楽になるのは、「入れられる量」の問題です。一方で、シートで業務を回している会社が困るのは、量より次の4つのことが多いかなと思います。

困りごとシートで起きやすいこと
同時編集同じ行を2人が直して、どちらが正しいか分からなくなる
権限見せたくない列だけを隠すのが難しく、シートを分けて管理が増える
入力ミスの防止入力規則を作っても、貼り付けやコピーで崩れる
履歴の追いやすさ版の履歴はあるが、「誰がいつ、この受注のこの値を変えたか」を業務の単位で追いにくい

この4つは、セルの上限が増えても変わりません。なので、シートが重いことより先に、この4つで困っていないかを見るのがいいかなと思います。

手動計算は「いつ計算するか」を決める設定で、シートそのものが軽くなるかどうかは、弊社ではまだ確かめていません。使い方にも注意が要ると考えています。オンのまま共有して、編集者が「計算」を押さずに閉じると、次に開いた人が古い計算結果を見る場面がありえます。会議の数字や請求の金額のように、ずれると困るシートでは、オンにするなら「誰が、いつ計算を押すか」まで決めておくのが安全かなと思います。

業務システムへ移る目安は「行数」ではなく「使われ方」(ここからは弊社の考え)

同じ表を複数人が更新する、入力ルールを守らせたい、承認や履歴が必要、というスプレッドシートから業務システムへ移る3つのサインと、1つでも当てはまれば移る検討を始めることを示した図解

弊社は、移る目安を行数やセルの数では決めていません。次の3つのサインのどれかが出てきたら、移る検討に入るのがいいかなと思っています。

サイン具体的な場面
同じ表を複数人が更新する営業・事務・現場が、同じ受注表や在庫表を直している
入力ルールを守らせたい必須項目の空欄や、表記のゆれで集計がずれる
承認や履歴が要る値引きや発注に上長の承認が要る、あとから変更の経緯を説明する必要がある

逆に、1人か少人数で使い、集計や試算が中心のシートなら、上限が増えたいま、無理に移す必要はないかなと思います。手動計算も、そういうシートの試算には向いていると思います。

移る先は1つではありません。弊社では、業務に合わせて次のように選んでいます。

移る先向いている場面
GAS(Google Apps Script)シートは残したまま、転記や通知などの手作業を減らしたい
AppSheetスプレッドシートのデータを、そのまま入力アプリにしたい
kintone部署をまたいで、権限と承認の流れを持たせたい
個別開発外部サービスの月額がかさんでいる、業務に合う画面が既製品にない

GASで業務システムを作るときの限界は「GASの限界と業務システムへの線引き」、シートを業務アプリにする方法は「Sheets canvasとは」にまとめています。

部署別の使いどころ(ここからは弊社の考え)

ここも公式の記載ではなく、弊社が部署ごとに当てはめた考えです。

部署・業務シートで続けてよいもの移る検討をしたいもの
営業個人の商談メモ、見込みの試算チームで更新する案件一覧、値引きの承認
経理・経営企画予算や資金繰りの試算(手動計算が向く)請求や入金の消し込みなど、確定値を扱う表
在庫・購買月1回の棚卸しの集計複数拠点で毎日更新する在庫表、発注の承認
現場・店舗日々の作業の記録(少人数)複数人の入力を集めて本部で集計する報告
総務・人事一時的な名簿やアンケートの集計個人情報を含み、見られる人を絞りたい台帳

CodeClimbの見解

ここまでは出典に書かれていることと、出典を前提にした弊社の考えを並べました。ここでは、弊社の経験から書きます。

まず正直に書いておくと、弊社は2,000万セルに近い大きさのシートを、業務で扱ったことはありません。 なので、上限ぎりぎりで使った感想ではなく、シートやExcelの業務を仕組みに置き換えてきた側の考えです。

弊社に来るご相談でも、「シートが重い」「Excelが限界」という入り口は多いです。ただ、話を聞いていくと、本当に困っているのは重さではなく、誰が直したか分からない、入力がそろわない、という使われ方のほうであることがほとんどです。

あるkintone運用案件では、外部サービス(トヨクモのFormBridge・kViewer・DataCollect)に月9万円かかっていたのを、自社開発のシステムに置き換えて廃止し、年間約108万円を削減しました。このときも、最初に決めたのはツールではなく、「誰が、どの画面で、何を入力するか」でした。シートから移るときも、同じ順番でいいかなと思います。

なので、上限が倍になったいまやっておくのは、この3つかなと思います。

  1. 延命策をいつまで続けるかを決める。手動計算、シートの分割、IMPORTRANGEでのつなぎは、期限を決めて使う
  2. 3つのサインが出ていないかを見る。同時更新・入力ルール・承認や履歴のどれかが出ていれば、移る検討を始める
  3. 移る先は業務で選ぶ。GAS・AppSheet・kintone・個別開発のどれが合うかは、人数と承認の流れで決まることが多い

集計をどこに置くかは「脱Excelの移行先を比較して決める」、Excel管理の限界から改善する手順は「Excel管理が限界になった会社の業務改善手順」をご覧ください。

よくある質問

Q. 2,000万セルの上限は、無料の個人アカウントでも使えますか

9月10日の発表では、セル上限の倍増の対象は、すべてのGoogle Workspaceのお客様、Workspace Individual、個人のGoogleアカウントとされています。一方、手動計算の発表で対象として挙がっているのは、すべてのGoogle Workspaceのお客様とWorkspace Individualです。

Q. ExcelファイルをGoogleスプレッドシートに変換するとき、気をつけることはありますか

Googleドライブのヘルプでは、ExcelからGoogleスプレッドシートへ変換するとき、5万文字を超えるセルは削除される、とされています。また、上限は「最大2,000万セル、または100MB」なので、セルの数だけでなくファイルの大きさも見ておく必要があります。

Q. 自分が手動計算をオンにすると、ほかの人にも影響しますか

ヘルプでは、地域と計算の設定を変えるとスプレッドシート全体が変わり、作業しているすべての人にその変更が見える、とされています。また、手動計算はシートの編集者だけが使え、オンにすると画面上部に手動計算モードがオンであることを示すバナーが出ます。共有しているシートで切り替えるときは、ほかの編集者にも伝えておくのがいいかなと思います。

まとめ

Googleスプレッドシートのセル上限は、2026年9月に最大1,000万セルから最大2,000万セルへ倍になり、新しいファイルにも既存のファイルにも適用されました。ドライブのヘルプでは、上限は「最大2,000万セル、または100MB」です。

同じ9月には、自動の再計算を止める手動計算も加わりました。既定はオフで、使えるのはシートの編集者だけ、モバイルアプリでは使えません。重いシートの延命には使えますが、同時編集・権限・入力ミス・履歴の困りごとは残ります。延命の期限を決め、3つのサインが出たら業務システムへ移る。この順番で考えておくのがいいかなと思います。

シートから業務システムへ移る判断から、一緒に決めませんか

CodeClimbは、ツールを売る側ではなく、業務に合わせて仕組みを作る側の会社です。GAS・AppSheet・kintone・個別開発の中から、今の業務に合うものを選ぶところからお手伝いしています。

「シートが重いけれど、移すべきかどうかも決まっていない」という段階からでも構いません。システム開発のサービス内容をご覧いただいたうえで、お問い合わせから今の状況をお聞かせください。

出典

https://workspaceupdates.googleblog.com/2026/09/doubled-cell-limits-in-google-sheets-now-generally-available.html | Google Workspace Updates | 2026年9月

https://workspaceupdates.googleblog.com/2026/09/new-manual-calculation-setting-in-Google-Sheets.html | Google Workspace Updates | 2026年9月

https://support.google.com/docs/answer/58515?hl=en | Google ドキュメント エディタ ヘルプ | 参照 2026-10-16

https://support.google.com/drive/answer/37603?hl=en | Google ドライブ ヘルプ | 参照 2026-10-16

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